建材展示会では、多くの素材やパンフレットに触れる一方、会場を離れる頃には記憶に残らず、展示什器も会期後に大量廃棄されることに違和感を抱いていた。Demoldは、軽量で加工性に優れ、多様な凹凸表現や反射特性を持つアルミ素材を扱っている。しかし、その魅力はカタログや壁面展示だけでは十分に伝わらない。そこで、素材を「見る対象」ではなく「体験する存在」として捉え直し、人が身体を通して理解し、記憶として持ち帰れる場を目指した。「あるみのもり」は、素材、人、空間、循環がつながり続ける新しい展示のあり方を提案している。
素材の特徴を深く理解してもらうには、滞在時間を生み出し、人が自然に立ち寄る体験設計が必要だった。そこでアルミニウムの持つリサイクル可能な循環性に着目し、その循環の象徴として「森」を導き出した。多数のアルミ柱を立ち上げ、その表面に100角の自在成形パネルをマグネットで取り付けた。来場者は自由に摘み取り、剥がし、持ち帰ることができる。剥がした後には木材が現れ、人工素材から自然への回帰や循環を表現した。会期中、人が触れるほど風景が変化し、展示自体が成長していく構造となった。また展示部材は再利用可能とし、展示終了後の廃棄物削減にも配慮した。